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ザンビア国カブウェにおける鉛汚染評価に対する実践的な現地調査手法

2017.12.14

2008年より、ザンビアと日本の研究者によるザンビア国カブウェ地域の鉛汚染についての共同研究が進められている。今日まで、さまざまなデータや解析結果が出されている。研究者と政府間でのデータ共有は、今日のカブウェにおける鉛汚染状況を理解するために不可欠である。さらに、鉛汚染は、地元住民に多大な影響を与えており、地元住民による環境課題解決への取り組みは、近い将来必要となる。この研究では、GISデータ統合システム(GDIS)の開発を目指している。GDISは、web-GISであるGISデータ共有システム(GDSS)と、現地調査用Android AppのFIELDNAUT、さらにオープンソースのSNS インスタンスであるMastodonより構成されている。GDISは、地元住民の環境課題解決に向けた参加を促し、研究者によるデータ収集、カブウェにおける鉛汚染の日々の状況の視覚化を支援するシステムとなる。

GDISは、オープンソースのプログラムで開発されている。GDISの中核を担うGDSSは、1台のデスクトップPC上で設計・構築されている(Hirose et al., 2015)。FIELDNAUTは、2016年に開発された。FIELDNAUTにより、研究者は、位置情報を衛星データや解析マップ上に描画することができ、写真やコメントを位置情報と紐づけて記録することができる。記録したデータはGDSSにアップロードすることで、研究者間で共有することができる。Mastodonは、研究者と地元住民とのコミュニケーションをとるためのFIELDNAUTの新しい機能となりうる。Mastodonは、独立したSNSインスタンスで、クローズドでセキュアなコミュニケーションシステムを構築することが可能である。この機能を活用することで、地元住民は日々の様子やカブウェの写真やコメントを共有することができる。共有されたデータは、GDSSに集積される。研究者は、FIELDNAUTを介して、研究結果をハザードマップとして地元住民に提供することができるようになる。

GDSS、FIELDNAUT及びMastodonで構成されるGDISは、地元住民の環境課題に対する参加を促し、地元住民による自発的な行動を起こす機会を提供する。このプロジェクトにおけるGDISは、環境課題における科学的持続可能な取り組みに対する地元住民の参加モデルとなりうる。GDISは、カブウェ同様重金属汚染問題を抱えるアフリカや他の地域に展開される可能性がある。

出典: Shinsaku Nakamura, Kazuyo Hirose, Tomomi Takeda, Yoshitaka Uchida, Hokuto Nakata, Shota Nakayama, Mayumi Ishizuka, John Yabe Mayumi Ito, Toshifumi Igarashi, Practical Field Survey Approach with Handle Device for Lead Contamination Assessment in Kabwe, Zambia, Abstract [IN51A-0006] presented at 2017 Fall Meeting, AGU, New Orleans, L.A., 11-15 Dec.

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